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ベルセルク6巻のネタバレ有りあらすじ・感想

ベルセルク6巻のネタバレ有りあらすじ・感想

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国王はグリフィスに、そなたの戦いぶりを見ていると自分が戦場を駆け回っていた頃を思い出す、と言葉をかけます。国王の名言「しかし威信や格式では戦には勝てぬ」。そのとおりです。だから鷹の団を高く評価してくれているんですね。

温和な雰囲気といい、名君のようです。まあ、王が実際にどんな人物であるかは、今後明らかになりますが…。

シャルロット王妃はとても内気な方です。王たちが去るとき、シャルロットはつまずいてしまい、グリフィスが慌てて抱きとめます。ユリウスが無礼な、とグリフィスの頬を叩きますが、彼は不敵な笑みを浮かべて謝罪します。

シャルロットはどうもグリフィスに惚れてしまったようです。まあ、無理もありません。容姿端麗、最強の剣士にして戦略家、カリスマ性のあるリーダーですから。


城内の密議

ユリウスはグリフィスのことが気に入りません。そこに現れたのがフォス大臣。フォスはこのまま鷹の団が軍功を挙げれば、いずれはユリウスと対等の将軍にグリフィスがなるのではと言います。

そして、今度の狩りの時に、毒矢でグリフィスを殺すように提案します。陰険な権力争いが始まりましたね。恐ろしい。ちなみに日本の歴史でも、明らかに毒殺されたのでなくても、恐らく毒殺されたのでは、という人物はたくさんいるそうです。恐ろしや。

ガッツは満月の夜、屋根の上で剣をふるいながら考え事をします。彼の名言「…でも今は…今はあいつのために剣を振る」。これまでガッツが剣を振るったのは、恵まれない境遇の中で生きるためでした。

いや、本当はガンビーノに認められたくて頑張ったのかもしれませんが、彼には裏切られました。今、やっと生きる意味をグリフィスに見出したのです。

狩りの場で、シャルロットは血を見るのは嫌だと言います。そこでグリフィスは、葉っぱを口に加えて音を鳴らして見せます。彼は子供の頃こうして遊んでいたんでしょう。シャルロットも笑顔を見せます。

仲睦まじいグリフィスたちの様子を見るキャスカ。彼女は、シャルロットとグリフィスが仲良くなればグリフィスの栄達につながるのですから理屈としては喜んでいるでしょう。しかしキャスカはグリフィスを愛しているはずです。

そのため、複雑な気持ちだったでしょう。なんだかかわいそうです。

シャルロットの馬が突然走りだし、グリフィスは後を追います。これを見て、ユリウスは暗殺者に目で合図します。

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毒の矢

追いついてシャルロットの馬をなだめるグリフィス。シャルロットは思わずグリフィスに抱きつきます。これはだいぶ惚れてますね。

帰ろうとするグリフィスたち。そこに暗殺者の放った矢が飛来し、グリの胸に刺さります。

ちなみ暗殺者は木の上から撃ちましたが、これはセオリー通りです。木の葉で隠れられますし、上から射下ろすので矢が重力で落ちることを計算しなくて良いからです。

ユリウスを見るときのグリフィスの目が恐ろしいです。そう、人間ではないような…。彼のベヘリットには小さな傷がついています。こいつは生きていますが、傷は治るんでしょうか。

シャルロットは涙を流して自分が馬を乗りこなせなかったからだと謝りますが、グリフィスは優しく慰めます。

夜、ガッツはグリフィスの部屋に呼ばれます。そこに並ぶのはたくさんの本。ほとんど全部を読んだそうです。グリフィスは勉強もできるんですね。

こんな本もある、と言われるガッツの顔がかわいいです。本を読むガッツの姿は、おそらくここでしか登場しません。グリフィスは、ある男を殺して欲しい、とガッツに言います。


ユリウス

ユリウスはグリフィス暗殺が上手く行かなかったといういらだちもあったでしょうし、自分を見下すような態度だったグリフィスへの対抗心もあったのだと思います。アドニスはいとこのシャルロットと結婚して王になる可能性がありますので、アドニスを一人前にしたいのでしょう。

一人きりになったユリウス。ガッツが密かに忍び寄っています。剣を取るユリウスですが、ガッツは彼を斬殺します。ところがそこにアドニスが入ってきます。

やむなくガッツはアドニスも殺します。

そういえばグリフィスは、ユリウスが首謀者だと気づいても、しっかり裏を取っています。毒を買った男が彼の部下だと調べたのです。さすが。

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自責の念

下水の中で、ガンビーノと剣の稽古をする自分の姿を思い出すガッツ。その前にゾッドが現れ、ガンビーノを殺します。そして、ゾッドの顔が自分になっています。

これは、かつての自分のような幼いアドニスを殺したのは自分だという、自責の念を表したシーンだと思います。ガッツは子どもである自分を裏切ったガンビーノや虐待したドノバンを恨んでいたと思いますが、今度は自分が、いたいけな子どもを殺す側に回ってしまったのです。

やむを得なかったとはいえ、グリフィスの命令でなければ、ガッツは子どもを殺したくはなかったでしょう。彼が吐き気をもよおしたのも、やはり子どもを殺したことへの不快感だったのだと思います。

ただ、グリフィスにしてみれば、アドニスが死んだことは、自分がシャルロットと結婚して王になるための邪魔者が死んだということでもあります。

ジュドーやピピンたちは、食堂で食事をしています。ピピンはやはりでかい肉をかじっています。あの筋肉を保つためには肉を食べないと。

キャスカたちは、ずぶ濡れで疲れ果てたガッツの姿を不審に思います。


晩餐会

ガッツは傷を負い、汚れたかっこうです。キャスカはそのまま行ってはグリフィスに恥をかかせる、グリフィスたちの話が終わるまで待てと言います。

シャルロット王妃は、戦などやめてしまえばいいのにと言います。そこで、グリフィスは戦には野蛮な面もあるが、それは同時に「貴いもの」を勝ち取り守るための道具でもあると語ります。

貴いものとは家族とか恋人か、と問うシャルロット。グリフィスは、それもありますが、男ならもう一つの貴いものに出会っているはずだと答えます。グリフィスの名言「誰のためでもない、自分が…自分自身のために成す夢です」

この言葉を密かに聞くガッツとキャスカ。

グリフィスは語り続けます。一生をかけて探求する夢もあれば、他の大勢の夢を食らい潰す夢もある。身分や生い立ちに関係なく、それが叶わないとしても人は夢に恋焦がれる。

グリフィスの名言「夢に支えられ、夢に苦しみ、夢に生かされ、夢に殺される。そして夢に見捨てられた後でもそれは心の底でくすぶり続ける…たぶん死の間際まで…。

そんな一生を男なら一度は思い描くはずです。”夢”という名の神の…殉教者としての一生を…」


夢の殉教者

シャルロットが語るように、とても哲学的な言葉です。もちろん女性も夢を描くでしょうが、特に男性はプライドが高く、自分なりの夢や理想にこだわる傾向があると聞いたことがあります。

後にコルカスがガッツに語るように、その夢を多くの男は歳を重ねるにつれてあきらめていく事が多いです。それはグリフィスのような高い能力を持っている人は少ないですし、彼のように自分を高め続けることは難しいからです。

それでも、誰でもこうなりたいという夢を描くでしょうし、叶わなくても夢があるからこそ、それに向かって生きるわけです。夢が叶わなくても、おそらく死ぬ時までそれを胸に持ち続けるというのもそのとおりだと思います。

つまり、戦をなぜするのかという問いに対して、男たちは自分なりの夢を勝ち取るために戦うのだとグリフィスは答えているのです。

これはグリフィス自身のことでもあります。多くの他人の夢を食らい潰す夢というのは彼の夢のことでしょう。他人の命を奪ってこそ戦功を立てられるからです。彼こそ夢の殉教者であり続けようとしているのです。

一切のパンすら食べられなかったという言葉から、彼が貧しい出であることがあきらかになります。それでも夢をつかむために、グリフィスは努力し続けて来たからこそ、シャルロットとお話できるまでになりました。


殉教の意味

ただ、こう読むこともできます。グリフィスは「自分の国を手に入れる」という夢の殉教者であろうとします。ということは、その夢を実現するためには、他のものを捨てるかもしれないということです。

普通、夢を描いたとしても、人はどこかでそれをあきらめるものです。自分の能力の限界を知るからです。殉教者にはなれないと知って、現実と折り合いをつけて生きていくのです。コルカスのように。

しかし、グリフィスには普通なら不可能な夢を実現させるだけの能力を持っていますから、殉教者になれるでしょう。殉教とは信仰のためにすべてを「捧げる」ことです。

もし彼が、普通の人物ならあきらめる「殉教者としての一生」をまっとうするなら、夢のためには他の物を捧げる覚悟ができているのでしょう。

彼は実際にこれまでも多くのものを捧げてきました。ユリウスを殺し、戦いで多くの味方とそれを上回る多くの敵を殺してきました。自分の夢に命を捧げてきたのです。

後に語られるように彼はゲノンに体を売ることまでしています。

こうしてたくさんの物を夢を実現させるために捧げてきたグリフィスですが、必要であれば、殉教のためにもっと大事なものも捧げるかもしれません。そう、普通の人間であれば捧げられないものでも。

こうして考えると、彼の語る言葉はとても美しいと同時に、純粋に夢を追い求め過ぎるあまり、恐ろしさも感じさせます。


真の友

グリフィスの名言「生まれてしまったからしかたなくただ生きる…そんな生き方オレには耐えられない」。この言葉はガッツの心に深く突き刺さったようです。

グリフィスを不思議な方というシャルロット。以前にジュドーもおなじように言っていました。

そしてグリフィスは、鷹の団のメンバーは優秀な部下ではあるが、友ではないと言います。彼の名言「決して人の夢にすがったりはしない…誰にも強いられることなく、自分の生きる理由は自らが定め進んでいく者…

そしてその夢を踏みにじる者があれば全身全霊をかけて立ち向かう…たとえそれがこの私自身であったとしても…私にとって友とは…そんな…”対等の者”だと思っています」

このグリのセリフこそ、ベルセルクのテーマであると思います。彼はガッツもキャスカも、部下で仲間だと思っていますが、友ではないのです。ガッツは今はグリフィスのために剣を振るうと誓いましたが、彼にとってガッツは友ではないのです。

なぜなら、ガッツはグリフィスの夢にすがる者だからです。高みに存在するグリフィスを見上げるガッツの姿が、そのことを表しています。


ベルセルクのテーマ

もしベルセルクにテーマがあるとすれば、それは「真の友同士の友情」ということだと思います。今後、グリフィスは夢の殉教者であろうとしながらも、心のなかではガッツという存在が夢を上回る大事なものになります。

そしてガッツはグリフィスの「真の友」=対等な者になろうとして、グリフィスを決闘で負かせます。これにより、自分は最強の剣士だという自負が失われ、グリは自分こそが国を手に入れられるという資格を持っているという自負も失ったはずです。

これまでひたすらに夢を追い続けてきた男にとって、お前にその資格はないと言われることは耐え難い喪失感だったでしょう。さらに、その夢すら忘れされるほどの最高の存在になっていたガッツがいなくなったことも、大きな喪失感だったでしょう。

ガッツが自分の半身とも言える存在になっていながら、その存在に裏切られ、夢を得る資格もないと知った(グリフィスは国を手に入れる=自分は最高、最強の存在でいたかったはず)のです。

そして王の拷問によって体もぼろぼろにされてしまい、いよいよ夢を実現するなど不可能になりました。普通なら夢をあきらめるところです。

しかしグリフィスは因果律で定められている存在でした。蝕の時、自分が覇王の資格があると知り、グリフィスは自分の半身とも言える「真の友」であるガッツを生贄に捧げてしまいます。

普通であれば、夢を諦め、自分の真の友と、自分をあくまでも支えてくれる仲間たちと平穏に暮らすという選択をしたでしょう。しかし、自分が傷ついたためにもはや実現不可能になった夢を手に入れる機会が与えられたことで、やはりグリフィスは夢の殉教者となる道を選んだのです。

こうして、グリフィスは超常の存在に転生し、真の友であったガッツなど足元にも及ばない力を手に入れました。しかし、鷹の団のメンバーを生贄に捧げ、自分の愛するキャスカを奪われたガッツは、グリフィスを倒すために苦難の旅をすることになります。

こうして、高みに登ったグリフィスと、(初めてグリフィスに出会った頃のように)再び彼に及ばない存在となったガッツ。ガッツはグリフィスへの復讐を果たすという「夢」の殉教者になろうとし、剣士としての己を高めていきます。

それは図らずも、ガッツが再びグリフィスの「対等の者=真の友」になろうとすることでもあります。やはりベルセルクは真の友であろうとする者同士の、友情の物語だと思います。


ユリウスの死を聞く

「あなたの夢って…?」と尋ねるシャルロット。そこへユリウスの死が知らされますので答えは聞けませんでしたが、もちろんグリフィスの夢は自分の国を手に入れることです。

おそらくグリフィスはシャルロットのことを愛しているわけではなく、夢をつかむための手駒にすぎないでしょう。

ユリウスの死を聞いて、グリフィスは不敵な笑みを浮かべます。キャスカは、ガッツの矢傷を見て、彼が下手人だと気づいたようです。

グリフィスに声をかけようとするキャスカ。その前にシャルロットが現れます。彼女は前王妃の子どもだったんですね。母がいなくては寂しいことでしょう。

シャルロットはグリフィスの無事な帰還を願い、ロードストーンの首飾りを贈ります。グリフィスは、帰還したらこれを返しに上がります、と笑顔で答えるのでした。

男女が引きつけあうという首飾りですから、もうこれは恋の告白と言っても過言ではありません。

そこに王妃が現れ、シャルロットをたしなめます。下賤のものにプレゼントなどとんでもないというわけです。実は、王妃はユリウスと関係を持っていました。そして、グリフィスがユリウスを殺させたと感づいていたのです。

王妃にとって、ユリウスは憎むべき相手ということですね。


キャスカの危機

乱戦の中、ジュドーはキャスカの危機に気づきます。彼はキャスカのことを気にかけているようですね。

キャスカは崖に追い込まれますが、そこを救ったのはガッツでした。剣を思い切り振り回したい気分だというガッツ。グリフィスの友とは対等な者という言葉が気にかかっていたからでしょう。

ジュドーもコルカスも、キャスカもグリフィスは自分たちとはとうてい違う、優れた人間だと考えています。そのため、グリフィスの部下であることであることを誇りに思っているでしょう。

しかし、ガッツはグリフィスの部下ではなく、友でありたいと思ったに違いありません。

崖下に落ちたガッツは、甲冑を着たままなんとか川岸によじのぼります。さすが怪力。しかしキャスカはがたがたと震えます。

グリフィスはガッツたちのことを報告されますが、他の騎士たちは救出のために兵を割くことは許されないと言います。余計なこと言いやがって。

洞窟に隠れたガッツたちですが、火を炊けば敵に居場所がばれてしまいます。やむなくガッツはキャスカを抱いて温めます。


キャスカの過去

キャスカはガッツに殴りかかりますが、体調不良でまた寝てしまいます。乾いた服を与えるガッツ。

なぜ鷹の団に入ったのかと尋ねるガッツに、キャスカは過去を語り始めます。彼女は貧しい農村の生まれで、口減らしのために貴族に買われます。しかし貴族は彼女を襲おうとします。

そこへ通りがかったのがグリフィスたちでした。剣を投げ、「君に守るものがあるならその剣をとれ」というガッツ。キャスカは剣を取り、貴族は刺されて死にます。

自分はもう村には帰れない、私を連れて行ってというキャスカ。君の自由だとグリフィスは答えます。この頃のグリフィスたちは、軍資金集めのために盗賊をしていたんですね。

最後のコマで微笑む少女のキャスカが印象的です。私はぜひキャスカには幸せになってほしいと思っています。


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