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ベルセルク8巻のネタバレ有りあらすじ・感想

ベルセルク8巻のネタバレ有りあらすじ・感想

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足を狙ってきたアドン。キャスカは剣を地面に突き立て、棒高跳びのように跳んで奴の後ろに回ります。顔を切られたアドンは、倒れます。

いやあ、みごとな戦法です。

ガッツを守ろうとボスコーンに向かう兵士たちですが、かなうはずもありません。そのシーンのボスコーンはすごい迫力です。

ガッツはナイフを抜きますが、ボスコーンの槍斧を受けきれるはずがありません。

いよいよ終わりか、と思った兵も多かったはずです。そこへ、高台から見守っていた男が、腕に力を入れて剣を投げ込みます。これは人間業ではありません(まあ人間じゃないですけど)。

その剣をすかさず拾ったガッツは、ボスコーンと馬の首を飛ばします。予想外の展開でした。剣を投げたのは、不死のゾッドです。ゾッドは蝕に備えて、グリフィスを見守っているのでしょう。

そして、強き敵を求めるゾッドにとって、ガッツに今死なれては困るという気持ちだったのかもしれません。もっと言えば、この戦いはガッツが一人気を吐いているので、敵勢を抑えられています。

もしガッツが死んでしまえば、もはや鷹の団は終わりでしょう。そうすればグリフィスも殺され、彼の転生もなくなったはず。ゾッドの行動はグリフィスを守るためのものでもあり、また因果律の定めるところだったのでしょう。

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逆転

不敗のボスコーンが死に、驚愕するチューダー軍。ゲノンは、城が乗っ取られていることに気づきます。

ゲノンはグリフィスに命乞いをしますが、グリフィスの名言「私の歩く道端にたまたまあなたという石コロが転がっていた…ただ…それだけです」。まあそういうことですよね。でもゲノンがちょっとかわいそう(笑)。

勝利に沸き返る鷹の団。キャスカの前にガッツが顔を見せます。キャスカは、グリフィスを遠い存在だと感じる、と漏らします。

ちなみに今回のストーリーの元になったのは、「項羽と劉邦」の韓信がとった背水の陣だと思います。韓信も兵の一部を割いて迂回させ、砦を攻略しました。

ただ、自分という餌でゲノンをうまく釣ったところにグリフィスのみごとな計略がありました。


陰謀

一方、城内ではフォス大臣らが密談をしています。この度の軍功でグリフィスが将軍に取り立てられるとの噂を聞き、彼を暗殺しようというのです。その後ろ盾は、王妃でした。

フォスは王妃に、ユリウスを殺したのはグリフィスだと吹き込んだのです。彼と関係を持っていた王妃は、グリフィスへの復讐を誓ったのでした。

暗殺の方法は、祝賀会でグリフィスの盃に猛毒を入れるというものです。

キャスカは女性にとても人気がありますね。彼女の顔も面白いです。シャルロットはグリフィスが帰ってくるのを待ち焦がれていました。何度も衣装を替えるところに、彼女の気持ちが表れています。王妃の登場するシーンで前王妃の顔が出ていますが、シャルロットにそっくりですね。

フォスのところに、何者からか書状が届きます。それを読んで狼狽するフォス。何が書いてあるんでしょうか。


祝賀会

正装しているガッツたちはやはり見違えますね。服装って大事なもんだと思いました。リッケルトもかわいいと評判です。コルカスは嘘を女性たちに吹き込みます。

鷹の団を気に入らない連中も。それを見たオーウェンは、彼らも鷹の団の実力を認めないわけにはいかないでしょうとラバンに語ります。ラバンのいうどこぞの大臣というのは、たぶんフォスのことでしょう。

しかし、今後は戦争もないでしょうから、グリフィスたちは戦場でなくこの城で生き抜かないといけません。

城の中で平穏無事に生きていくにはグリフィスは目立ちすぎるとラバン。ラバンの名言「光が強ければ強いほど、濃い影が落ちるものさ」。この言葉は深いですね。

この言葉を考察すれば、人間としてのグリフィスにもあてはまりますね。ユリウスを殺害させたり、ゲノンと関係を持ったりと。

それ以上に、強い光を放っていたグリフィスが、今後ゴッド・ハンドという魔そのものに身を落とすことを予言しているような言葉でもあります。

人ごみを離れて座るガッツの元へ、キャスカが走り寄って来ます。貴族がしつこいから連れの振りをしてくれというわけです。それを見るジュドー。やはりキャスカのことを気にしているようです。

キャスカのドレス姿、初登場です。ガッツに見つめられて照れる顔がかわいいです。この頃が彼女のもっとも幸せなときだったのですね。

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陰謀

グリフィスを踊りに誘えというガッツですが、自分は村の祭りでしか踊ったことがないというキャスカ。いじらしいです。そんなキャスカにのちのちひどいことをするグリフィスは許せん。

やはり鷹の団を出ていく素振りのガッツです。国王が登場し、キャスカは建物に入ります。王は鷹の団の労をねぎらい、グリフィスに白鳳(はくほう)将軍、鷹の団は白鳳騎士団、千人長は騎士と爵位が与えられるだろうと表明します。

これはすごいですね。盗賊まがいの(笑)平民が、貴族になるのですから。このままいけば、グリフィスが王になってもおかしくありません。

しかし、ガッツにはグリフィスから密命が与えられていました。

シャルロットがワキワキ、と密かに手を振るところがかわいいです。

グリフィスが倒れ、辺りは騒然とします。その頃、ガッツは毒を入れた男を殺していました。

どこかの館では、王妃やフォスたちが集まり、グリフィス暗殺の成功を喜んでいます。しかし、床から煙が上がります。火事だと外に出ようとしますが、入り口は塞がれています。

王妃は、窓の外から死んだはずのグリフィスの姿を見つけます。


秘薬の秘策

グリフィスは、一時的に仮死状態になる秘薬を飲んで倒れたのです。おそらく、フォスへの書状に、娘を預かったこと、返して欲しければ毒の代わりに秘薬を入れろ、王妃たちを集めろと書いてあったのでしょう。そしてグリフィスが死ねば、娘も殺されると。

こうして王妃たちは一網打尽にされたのです。グリフィスの名言「これは戦です。戦場に観覧席はありません」。確かに。

下賤の者が自分を殺すことは認めぬと怒り狂う王妃ですが、グリフィスは「戦場で死ぬのは王族でも貴族でも平民でもありません。敗れた者が死ぬのです」。まさにその通りです。

また、王妃たちは兵たちを下賤のものと見下していますが、誰のお陰で自国の平和が保たれているかも考えて欲しかったですね。戦場で戦っている者をこき使うだけで見下していれば、日本の平家のように自分たちの権力はのっとられるでしょう。

まあ、高貴な人たちも城の中で陰謀ばかりやっているなら、やっていることは下賤なわけですし。固定化された身分制度はくだらないと思います。


成功

こうして王妃たちは死に、フォス大臣にグリフィスが語りかけます。フォスは、以前に自分の目が恐怖で濁っていただけで、自分がグリフィスを殺そうとする、とグリフィスが読んでいたことに驚愕します。

そして、フォスには娘が返されました。娘を誘拐した男たちに金を払うグリフィス。しかし、男たちはガッツに全員やられてしまいます。彼らが真相を喋るとまずいからです。

こうして、ミッドランド城内でグリフィスを殺そうというものは一掃されました。グリフィスは、ガッツに自分は手を汚さず、危険でつらい仕事をすべてお前任せにした。そんな「オレを…ひどいやつだと思うか」と尋ねます。

グリフィスがこんなことを言うなんて初めてです。彼も戦いに勝って夢を実現するために、後悔や良心の呵責は捨てているはずです。それでも人間である以上、心のどこかにそれは残っているのだと思います。それを忘れようとしているだけで。

キャスカがガッツに語ったように、グリフィスは強いのではなく、無理をして強くあろうとしているのだと思います。そして、他の者には漏らせない苦悩を、ガッツには漏らしたのだと思います。

それだけグリフィスは、ガッツのことを深く信頼しているというか、ガッツが自分の一部のような存在になっているのだと思います。


ガッツとグリフィス

ガッツはそれがお前の夢につながる道なんだろ、とグリフィスに答え、そうだな、とグリフィスも自分を納得させます。

二人は肩を並べ、キャスカたちの元へ戻ります。キャスカのドレス姿を楽しく語らいながら。思うに、ガッツとグリフィスの関係はこの時が最高だったのではないでしょうか。

今後の二人の運命を思うと、最後のコマは涙がでます。

キャスカはガッツを引き止めますが、もう決めたことだとガッツは言います。ジュドーとコルカスが、ガッツを酒場に誘います。

コルカスは、棺桶に片足を突っ込みながらやっと手に入れた貴族という身分や栄誉を、自分から捨てるなんて信じられないといいます。

ガッツはやはり、ガンビーノに振り向いて欲しくて一生懸命剣を振るっていたんですね。しかし彼は振り向きませんでした。そしてこいつを振り向かせたいという男にやっと巡り会えた、それがグリフィスだったのです。


何か

グリフィスは高みをひたすらに目指すために、いつも自分自身を極限まで研ぎ澄ましておかなければならない。その彼には、弱者を自分の横に置いておく余裕はない、とガッツは語ります。

そしてガッツは、「オレは、自分で手にする何かで、あいつの横に並びたい」といいます。グリフィスの部下として、自分の国を手に入れるという彼の夢の実現に手を貸すことは、十分に可能です。

特にグリフィスは武芸にも学問にも、政治にも優れています。ガッツの武力も合わせれば、ゆくゆくはグリフィスはミッドランドの王になったでしょう。

普通であれば、その道こそ進むべき道です。しかし、ガッツはそうしたものは求めず、グリフィスの真の友となることを自分の夢として選んだのです。

コルカスの名言「大抵の人間は自分の力量や器と自分の置かれた現実に折り合いをつけて何とかやっていくもんなんだ!」「実現しない夢なら寝言と一緒だ!馬のクソ以下だぜ!」

私も彼の言葉に共感します。グリフィスのような人間は一握り。他の人は、そうやって生きていくしかありません。

しかし、ジュドーはコルカスが昔は盗賊団のリーダーだったことを明かします。彼もその頃は、夢を持っていたのではないかと。


ジュドー

コルカスは酒場などではフリーパスと言っていましたが、お勘定を請求されていますね(笑)。

ジュドーは、自分はナイフや剣などなんでもうまくこなせたが、どれも一番にはなれなかった。だから一番強いやつにつこうと思って鷹の団に入ったと語ります。

ジュドーの名言「…最初から、何も欲しがらない奴なんていないさ」。賢く、他人の心をよく見ている彼ならではの言葉です。

その裏には、グリフィスやガッツのように、何かに飛び抜けて優れた能力を持っている人はそんなにはいない。俺やコルカスはお前のように、特別ではないから人の夢にぶら下がるしかないんだ、といっている気がします。

逆に言えば、ガッツのすさまじい剣技を見ているジュドーは、ガッツなら自分で勝ち取る何か=夢を捕まえられるんじゃないかと思っている気がします。

酒場でのこの会話は、人生について深く考えさせられる名シーンだと思います。

酒場を出た二人。ジュドーはガッツを送っていきます。キャスカを連れて行ったらどうだというジュドー。ガッツたちが親密になっているのに気づいていたのです。


キャスカへの気持ち

実は、蝕のときに明らかになりますが、ジュドーもキャスカのことが好きだったのです。しかし、自分の気持を隠して、たぶんキャスカの幸せのために、ガッツにそういったのだと思います。ジュドーは本当にいい奴です。

ジュドーは、グリフィスが王になるためにシャルロットが自分を好きになるように仕向けたこと、それが成功したことを見抜いていました。そして、だからキャスカはグリフィスと一緒にはなれないことも。

キャスカにとって、グリフィスの隣には、彼の求める者を与えられる唯一の人(シャルロット)がいることはたまらないと思う、とジュドーは言います。確かに。キャスカと一緒になれば、グリフィスは王になれませんから。

そう考えるとキャスカは本当にかわいそうですね。ガッツは、キャスカはグリフィスを見ているから、今の自分じゃ駄目なんだ、と語ります。

今の自分というのは、グリフィスの夢にぶら下がっている、グリフィスの真の友になれない自分ということでしょうか。ということは、ガッツが旅立ちを決めた理由の一つは、キャスカだったのかもしれません。

もう一つの理由としては、この先戦がないということもあったでしょう。剣を振るうのが生きがいのガッツにとって、自分の居場所がないからです。


ウインダムの外

ウインダムの外に出て、見送りはもういいよというガッツ。その先には、ピピン、コルカス、リッケルト、そしてキャスカがいました。コルカスはしっかり戻ってくれました(笑)。

コルカスは、自分だけが人にはわからない大層な道を歩いている、自分だけが特別なんだと感じさせる、ガッツの張り詰めた表情が気に入らないと言います。

コルカスの気持ちもわかります。てめえはグリフィスにはなれねえ、とコルカスが言ったことで、キャスカやリッケルトも、なぜガッツが出ていくのかをうすうすは察したと思います。

ガッツを見つめるキャスカ、その前をガッツは無言で通り過ぎます。そして、グリフィスが剣を抜いてたちふさがります。オレの手の中から抜け出ていきたいなら、剣で自分をもぎとって行け、と言って。

仕方なく剣を構えるガッツ。キャスカは止めさせようとしますが、ジュドー達は二人の問題だと止めません。


兵士としての

ガッツは、怒りの目を向けるグリフィスに対し、それも当然か、お前の寄せてくれた「兵士としての」信頼や期待をおっぽり出していくんだからと考えます。

思えばここがすべての悲劇の始まりでした。後にキャスカが語るように、グリフィスにとってガッツはただの優秀な「兵士」という存在ではありませんでした。知らぬ間に自分の半身ともいうべき存在になっていたのです。

また、グリフィスも、プロムローズ館で「真の友」について語った言葉をガッツが聞いていたのは知りませんでした。そのため、ガッツがグリフィスの真の友、対等の者になるために出ていくのだとは思わなかったのです。

常に強き者でなければいけないグリフィス、しかし神ならぬ彼にとって、そのためにはガッツという存在が自分を支えてくれなければいけなかったのです。


別れ

グリフィスはガッツの剣を撃ち落とそうとしますが、逆にガッツがグリフィスの剣を撃ち落とし、右肩の上で止まります。グリフィスはひざまづいて動きません。

グリは、ガッツの肩口を斬るつもりでした。一方のガッツは、寸止めをしました(9巻を見ると傷はついてしまったようですが)。それを考えても、やはりガッツのほうがこの時点で実力は上だったようです。

自分に絶対の自信を持っているグリフィス。その一番の支えは、やはり彼を数々の戦場で救ってきた剣技でしょう。その自信が崩壊してしまったのですから、ショックは計り知れないものだったと思います。

また、グリフィスの夢は自分の国を手に入れるということであり、それは自分が剣や戦術、政治などで最も優秀であるべきだということでもあったと思います。今回の負けで、その夢も崩壊したのではないでしょうか。

グリフィスはガッツが出ていっても、貴族として上手く立ち回り、シャルロットと結婚して王になることは十分に可能だったはずです。しかし彼はその道を選ばず、自ら破滅を選んでしまいます。

そのことから、ガッツに負けた時点で自分の生きる目標であった夢も、崩れてしまったような気がします。

もちろん、一番ショックだったのは、自分が気づかぬままに自分の一部となったガッツが出ていってしまったことだと思います。

ガッツは、グリフィスが負けたことは小さなことであり、グリフィスにはもっと遠くに目標がある。だから立ち上がれるさ、と考えて去っていきます。


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